Partagas Legados Edicion Limitada 2020
2021-12-22
毎年3種類のエディシオン・リミターダがシガー界を賑わせてきたが、2020年のELはこのパルタガス レガドスの1種類のみとなった。
ちなみに2021年のELは3種類に戻るので、ハバノスはいつものようにミステリーである。
多くのELを生み出してきたパルタガス。11番目のELであるレガドスは、セリーでなくスタンダードリング。
サイズはRG48x157mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヘルモソス No.2(ビトラ・デ・サリダ:グラン・コロナ)。グラン・コロナでもグランド・コロナでもどちらでもよいが、このビトラはダブルリング以外今のところ存在しない。記憶に新しいのはQuai D'OrsayセナドレスEL2019、その前のELではRomeo y JulietaのヘルモソスNo.2(2004年)となる。
渋いラッカー塗りの特別なボックスに25本入りで提供される。木目が見える素敵なボワト・ナチュールだ。
ラッパーはマデューロで、大変オイリー。
香りはレザーとウッド。レザーの方が支配的な香りだ。巻きはきれいで、キャップが本体に一体化している。
ヘッドを切り落としフットに火を回す。甘い甘い香りが立ち昇る。
喫煙する。黒糖!
溶けた黒糖のような強烈な甘さが脳天を直撃する。黒糖麩菓子のあの姿、リアルにあの輪郭を舌がなぞる。ストロング。
ウッドとレザーを核に、紛れもない黒糖、黒蜜が口腔を満たす。しかし液体ではなく気体だ。脳が追いつかない。
熟れた南国の果実がよぎる。マンゴーのようなねっとりとした甘み。それを外側からレザーが包み、葉巻ではない、ひと皿のスイーツのプレートのような印象を与える。
中盤はレザーが立ってくるが、この強い甘さと融合しえもいわれぬ感触を与える。
甘いといってもチョコレートの甘さではない、あくまで黒糖。糖蜜、蜜に近い糖のタッチだ。
うま味とコクを伴ったこれが、無限の煙の渦に引きずり込む。わずかに柑橘の酸味。野太いレザー。
終盤、ブローすると白墨とペッパーをともなって、かすれた甘みが爆発する。
パルタガスらしい重厚さがひときわ立ち、甘みを押しのけてレザーの味わいの強さが俄然自己主張してくる。
この巧みな場面転換にハバノスの真髄を見て取れる。
激烈なレザー、エステル香、アーモンドの皮、アフターに黒胡椒。
弾けるような感動を残して、60分で喫了。
ELはどんどん進化している。あまたのハバノスのレガド(レガシー)を積み重ね、それが惜しみなく注ぎ込まれたシガーであることが確認できる。
LABEL : Partagas 【Edicion Limitada】