H.Upmann Belvederes '99
2026-07-29

Belveder、というのは「美しい眺め」を指す言葉だ。この名が振られたシガーはキューバには過去もあわせて少なくとも11は数えられる。
現行ではRomeo y Julietaにしか残っていないが、BolivarやRamon Allones、失われたブランドでも販売され、シガーとしてポピュラーなビトラであったことがよく分かる。
ベルベデレスは基本的にマシンメイドで、ハバノス合理化の際に手作り葉巻としてリニューアルされるか、廃盤となるかのふたつに運命が分かれた。
H.アップマン ベルベデレスは後者だ。
セロファンに納められた機械製造葉巻が25本ドレスボックスに納められ、1960年代から2003年まで製造された。
サイズはRG39x125mm、ビトラ・デ・ガレラ:ベルベデレス(ビトラ・デ・サリダ:ショートパナテラ)。
葉巻をチェック。セロハンもリングもすでに変色しきっている。
取り出して香りを嗅ぐと、古い押し入れ。薄めのコロラドのラッパーは荒く、縦横に細い葉脈が走る。ヘッドはマシンメイド特有の形で、全体は四角くボックスプレスされている。
ヘッドをカットし、フットに着火する。
藁の山が燃える芳香。喫煙すると、ビター。真っ黒く燃えた藁。墨汁。ギュッとくるタンニン感。ミディアムライト。
かなりの年月を経ているが硬めのタッチで、腰もしっかりした味わいが堪能できる。
うまみは少なくなっているが、贅肉が落ちて骨格が浮き出た「味」がしっかり辿れる。枯れ草の根とわずかに乳酸菌。

中盤は乾燥した牧草。
古い土間、レザー、青いグラスも感じる。
気を抜くと単調に見えるが、少しずつ変化していき気づくと違う場所に立っている。
マシンメイドは充填が緩く、必ずトリパ・コルタなので燃焼が早い。終盤に入りブローするとフローラル。
もったりと華やいだスモークが楽しめる。次の瞬間には元の表情に。年取っても立派なハバノスだ。
40分で喫了。
四半世紀を乗り越えた葉巻は、それだけで歴史である。
そして葉巻は喫われるために作られたもの。コレクションアイテムではないので、しっかり管理し、そして歴史を味わい感じることが大切なのだと思う。







