Ramon Allones Belicosos 2010 ER Alemania

2025-03-31

ラモン・アロネスのERは過去に多く作られてきた。また、そのオーダーのうちドイツが占める割合もまた多い。
このベリコソスもドイツのディストリビューター、5th Avenueからの注文で製造された。
25本入りドレスボックスが2000箱という、かなり少ない生産数。5th Avenueからこの葉巻を含むヒュミドールが250箱発売されたが、それでも現在のエディシオン・レヒオナルの生産数から考えると非常に少ないと言えるだろう。

葉巻を観察する。
サイズはRG52x140mm、ビトラ・デ・ガレラ:カンパナス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。Bolivarベリコソス・フィノスなどと同じビトラだ。
表面はやや縮緬状になっている。湿度を吸い、吐き、長年の呼吸の結果だろう。ラッパーはコロラド・マデューロ。触れると硬質な感じ。香りは非常に薄くウッド。リングは変色し、ぶかぶかになっている。

ヘッドを浅めにフラットカット。刃の感触でかなりドライなことがわかる。
フットに火を回す。
勢いは強い。枯れ枝の焚き火のような煙。


これは!
弱々しい見た目の印象を裏切る、瑞々しい喫感。夏の雨の日の松林のような、青い、強い脂の、こもるような蒸れた感じ。
胡桃、硬いウッド、海藻。ビターなアフター。ストロング。
若干ミントを感じる。非常に複雑で、変化も早い。
がちっと硬質なタッチの、そのまま鋭いうま味はRamon Allonesの特徴のひとつだ。

中盤、肉厚な乾燥シイタケを噛んでいるような感覚。
コクが深く、ひとつひとつのスモーキングがはやりそうになるのを抑える必要がある。熟成させた生魚のようなねっとりとしたうま味。
ブラックペッパー、コニャック、古いチーク材。

コニャックのようなコクに酩酊していると終盤、リングを外しヘッドをリカットする。
濃密な煙に巻かれる。白墨、糖蜜、野菜のシチュー。
味わいの積層感というか、層をなし刻一刻と変化していくその広がりに際限がない。
灰を落としブローすると、ビターキャラメルのような塊が噴出して口腔に炸裂する。

60分で喫了。
強いシガーほど長期の熟成に耐えられると考えているが、これは丁度そのピークだろう。
無駄な肉が削ぎ落とされ、骨格が浮き上がり、それをダイレクトに味わえる。
質実剛健を尊ぶドイツで好まれるブランド、納得のシガーだ。

LABEL : Ramon Allones 【Aged】 【Edicion Regional】