Fonseca KDT Cadetes '14
2015-09-22

フォンセカ KDTカデテスは、フォンセカのレギュラープロダクション3種のうちのひとつだ。その中でも一番小さいビトラである。
サイズは36×115、カデテス(ショート・パナテラ)。
フォンセカ伝統の薄紙に巻かれて25本入りドレスボックスで供される。
表面の紙を剥いで香りをかぐ。
薄い木の表皮、ごくほのかなレザー、わずかなタバコ感。総じて「淡い」という言葉がぴったりとなじむ。
ラッパーはコロラド・マデューロ。フットは四角い。
ヘッドをフラットカットしてフットを吹いてみると、ドローは呼気のように通る。
フットを炙ると、若々しい木の芳香が部屋中に満ちた。
喫煙すると、新鮮なウッドに目が覚める。
真新しい鞣し革。釜で炊いたご飯のお焦げの甘み。レモンピール。ライトボディ。
強喫煙すると香ばしさがどんどん増し、ナツメグの風味が湧き出てくる。香り高いアロマ。

中盤、葉巻内部が蒸れてきて喫味が濃くなってくる。
レザーが主張を増してきて、コクが深くなる。非常に端正なバランスとプロフィールを併せ持ち、エレガントさは他のハバノスにひけを取らない。
葉巻が短くなり、指に熱を感じるまでになると、さらにもう一段レザーが高まる。煙を吐いたアフターに口腔奥に感じる旨みは柔らかいが薄くはない。
40分で喫了。
シガーブランドが個々に持つブランドイメージは人それぞれだが、フォンセカは「薄い」(イコール「弱い」)というイメージが先行する。
だが、一本手に取り火をつければまた別の側面が見えてくる。カデテスの豊かなアロマはそれを教えてくれる。
LABEL : Fonseca