Trinidad Robusto T '10

2015-06-03


ずんぐりした身体に愛嬌のあるピッグテールが頭からぴっと出ている。
トリニダ ロブストTは2009年にリリースされ、2012年にディスコンとなった短命なビトラだ。
サイズは50×124、デルヴァッレ(ロブストT)。
四角いトリニダはないのでころころ転がして観察する。

ラッパーは薄く滑らかで潤いがある。
キャップも深く被せられていて熟練したトルセドールの姿が見えるようだ。鼻を近づけると、木質感と若々しい煙草の芳香。

着火すると、甘い木の香りが噴き出す。
ひとくち目、ミルクとシュガーがたっぷりの甘いコーヒー。
そして目の覚めるような木々が。油がぎっしり詰まったナッツの旨み。まろやかなコク。
ボディはミディアムで、ゲージも相まって煙量豊かだ。

じわじわと舌に染み入るウッディな旨み。そしてアフターに感じるダークチョコレート。
2センチほどで灰を落とし直接喫煙する。花の芳香とその影に潜む白胡椒が鮮烈に奔り鼻腔が覚醒する。



端正な木質感を味わっていると、葉巻内部が蒸され、中盤味わいがやや太くなる。
粗野な押し付けがましさのないウッディはまろやかというより真っ直ぐで澄んでいる。
コーヒーは薄れピスタチオ。
存分にそれを味わっていると終盤への盛り上がりにペッパーがちらちらと顔を出してくる。

粉末になるまで挽いた白胡椒が口いっぱいに広がり、その背景には堅牢なウッディが待ち構えている。終局に向かってスパイシーさがめらめらと燃え上がる。
60分で喫了。
市場に残っている在庫は少ない。熟成を楽しみながら何箱か手元に置きたいものだ。

LABEL : Trinidad